Trunk‘s Weather Report

手作りノートとカルトナージュの布箱を主にハンドメイドしています。ハンドメイドのみならず、色々な事に興味深々です。 芸術鑑賞やポエムを読むこと、絵を描いたり、最近はまった短歌のことなどを、自由気ままにコメントして行きたいと思います。歴史、地理、文化、上げるときりがありませんが、それらを一つのコスモロジーに昇華できたらと思います。

待ち伏せしていたような秋

こんにちわ~とぅらんく文学友の会であります。

今日は、終戦記念日ですね、日本中に哀愁がただよう本日より、秋が深まってまいります。
仕事中に、シュウメイギクを見つけました。花芽も付いており、もうすぐ咲くのではないかと思います。

今朝早くに、なぜか目が覚めてしまいました。そうしたら、鈴虫の鳴く声を初めて聴きました。

とあるマンションの階段の途中に、蝉が落ちておりました。
七年越しの晴れ姿でいる期間は短く、もう思い残すことはない、というような感じであおむけになっておりました。
こんなところで転がっていたら踏まれてしまいます。手にとって眺めますと、まだ足が動いておりました。
どこか、静かに息を引き取ることのできるところはないものかと思い、見まわしましたが、最近のこの世界にはそのような場所が少ないです。
隣に学校があったので、学校のグランド隅に置いてやりました。

今日は、とあるトラブルのせいで仕事の帰りが遅くなりました。
西の空がオレンジ色でした。

「そしてお前は待っている 待っている ひとつのものを
お前の生命を限りなく増してくれるものを
力強いもの 異常なものを
石の目覚めを
お前に向けられた深みを

書架のなかで金と茶色の
書物がたそがれてゆく
そしてお前は思いだす……(ry 」

リルケの「回想」という詩からの引用ですが、これを思い出しました。

何だかこれから、世界と言う大きな本が古本屋行きになるんじゃないかというような気持ちです。
今までネゲンとロピーの如く時間を巻き戻すような生命の力が衰えて、衰退してゆく…

秋は、古びた洋古書のような悟りに満ちた季節でしょうか。
再びエントロピーは増大してゆきます。
死の予感、そんな感じがする季節です。こういう感じをメランコリーって言うのでしょうか?
メランコリーで連想するものはブランコです。
誰も載せていないブランコが揺れる秋です。

急速に黄ばんでゆく羊皮紙のような黄昏を、逃すまいと追いかけても追いかけても、届きません。
すべてのものが古びていくような予感に包まれて、気付くと古びた井戸にゴーッと落下してゆく。

黄昏は、いつの間にか丸い形になって、暗い天井を照らしています。
傍らにはススキが生えていることでしょう。

つるべ落としのように、時が過ぎ去ってゆきます。






にほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村

同じカテゴリー(文学友の会)の記事
オーロラの国の物語
オーロラの国の物語(2013-07-14 15:40)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
待ち伏せしていたような秋
    コメント(0)